ホテルの建設ラッシュに見る宿泊競争の激化について

宿泊業界の未来は?

官民挙げてのホテル建設ラッシュ

オリンピックに向けて急ピッチで進むホテルの新設ラッシュ。 五輪開催時期にはまだ客室数が不足と言われるが、ピークに合わせた建設ラッシュ、リノベーションラッシュは閉会後に稼働率の激減を招かないのか? 2021年以降も訪日外国人は減らないのか? その鍵となるのは「アジア」と「SNS」

アジアを狙え!SNSを活用せよ!

訪日外国人旅行者数は政府の狙いどおりここ数年増え続けている。
2016年は2400万人を超え、前年対比プラス21.8%の伸びである。伴って延べ宿泊者数も6900万人超、5.8%増となっている。
宿泊施設の不足が指摘される中、2016年6月、国土交通省は宿泊施設の整備推進のため、2016年に容積率の緩和に関する制度を策定した。
政府のいわゆる「骨太方針・成長戦略」である観光立国を推進するにあたり、宿泊施設不足がボトルネックとなっていることを踏まえたものである。
内容は「誘導すべき区域を事前に定めて面的に」あるいは「個々のプロジェクト単位で」容積率を緩和するものであり、この制度を活用すると従来の指定容積率に最大で300%のプラスが可能となる。
各自治体も条例の制定や運用の見直しなどを行っている。
東京都は宿泊施設の整備促進に対して積極的な姿勢を示しており、都市開発に向けた制度活用に関する方針等の改定を施策した。
これにより建築物の延べ面積に応じて、容積率を最大5倍まで緩和できるようになった。
行政のバックアップもあり、東京・大阪・福岡など主要8都市の客室数は2016年から2020年にかけて32%増えることが見込まれている。
着工棟数で見ても東京は2016年度が2013年度の5倍前後、大阪では15倍と激増している。
このような新設ラッシュに加え、古民家や遊休施設のリノベーション、旅館等に対する投資促進、さらには民泊の増加なども合わさり、宿泊施設間の競争激化は避けられない。

民泊と他業種参入

増えるとともに弊害も指摘されている民泊。 世界的に利用者が増えている状況を見ると、国内でも従来のホテル・旅館とはシェアを奪い合う関係になりそうだ。 一方で他業種からのホテル参入も報道にとりあげられている。 それまで培ったブランドをホテル運営に生かし相乗効果を狙うものだ。

ビルト&スクラップ?

宿泊業に限らず、需要を追い越した供給は過剰を生み、競争の激化をもたらす。 シェアを追いかけた値下げ競争は多くの施設を疲弊させ、いくつものホテル・旅館が廃業に追い込まれる。 すでに始まっているホテル建設ラッシュの中で、どのような戦略が必要とされるのか。